結婚式 in Andalucia
先週金曜日から、友人の結婚式のためにアンダルシア地方のウエルバ(Huelva)という所に行って来ました。実は初めて兄がこっちに来て、ちょうど金曜日の朝にこっちを発ったため、金曜日はドタバタでした。朝の4時半に兄を見送り、そこから荷物の再点検。7時に家を出ました〜。でも、兄はスペイン旅行をすごく楽しんでくれたようで良かったです☆
さて、ウエルバなんてきっと知らない人が多いと思うので、ちょっとご紹介。ウエルバはスペインの南アンダルシア地方の西にある市で、その中にあるウエルバという名前の街が中心となります。昔から交易の盛んだった街で、フェニキア人の貿易時代にはオノバ(Onoba)と呼ばれていました。その後のローマ時代もOnobaと呼ばれ、その後のイスラム教徒が支配した時代にはWalbah。というわけで、名前がちょうどOnobaとWalbahの中間Huelvaに落ち着いたのでしょうか。
海岸線は穏やかな波と広い浜辺、歩道にはたくさんの椰子の木が植えてあって、いかにもリゾート地という感じでしたが、ちょっとそういう場所を離れればそこはディープアンダルシア。見るからにアラビア系の人、ジプシー、陽に焼けた漁師風の人が家の周りに洗濯物を干していたりして、「マドリッドから車で7、8時間でこうも違うって凄いねぇ。」と友達と話していました。やっぱり、スペイン文化って一括りにはできないです。
さて、新郎・新婦について。
今回は新郎の両親がこのウエルバの出身だったため、結婚式がここに決まりました。新婦はフランス人で、彼らはタンザニアで知り合いました。新郎がパプリカをアフリカで育て、それをヨーロッパに売る事業をしており、その関係でタンザニアに滞在中、偶然そこで文化人類学を専攻している新婦と出会いました。二人ともスワヒリ語が話せますが、新婦はネイティブ並みに操れるらしく、本当に感嘆です。
その後は、新郎が仕事の関係でペルーに行く事になり、そこに新婦も勉強しつつ同行。二人でペルーの片田舎に住み、そこで新婦はスペイン語もマスター。恐るべし、です。私達は去年のメキシコ旅行で彼らと知り合いましたが、二人ともとても朗らかでオープンな性格で、一緒にいてとても居心地の良いカップルです。
結婚式は、まずは新郎が昔洗礼を受けたという教会で。知り合いの神父さま(この人もタンザニアに滞在していたスペイン人)が式を執り行い、1時間弱のミサではアフリカ音楽を流していました。式が終わり、教会から出て来た新郎新婦に皆でライスシャワー、大きなクラッカーのようなものも準備し、教会の入り口は色とりどりになりました。アンダルシアの真っ白な建物と青い空、遠くに見える海、新郎の白い服と青いネクタイ、新婦の白いドレスと髪に挿した青い花・・・白と青が印象的な式でした。なによりも、二人の満面の笑顔が本当に素敵で、そういう幸せな瞬間に居合わせることのできる私達は幸せだなぁ・・・としみじみ。
式が終わってから貸し切りバスを使って皆で披露宴の場所に移動。着いた先は、丘の上にある新郎の家の別荘。この家は、何と新郎の曾祖父が建てた家だそうです。この曾祖父がフィリピン(当時はスペインの植民地)に行き、そこで稼いだお金で土地を買い、家を建てて別荘にしたということで、何と1800年代のその家を映した写真もありました。本当に家族の歴史というものを感じます。
今回の結婚式の為にはリフォームをする必要があり、家の中と外の塗装はもちろんのこと、周りに砂利をしきつめたり、花壇を作ったりし、さらにディナーをケイタリングの会社に委託してテントをはったり、本当に色々な準備をしたようです。しかも山奥・・・!きっとすごーーーーーく大変だったでしょう。
披露宴は和やかに進みました。まずは外でカクテル。庭先にテーブルがあり、そこで飲み物を出してくれるようになっていました。広大な平原を丘の上から眺めたり、家の中庭に移動したりしながら、皆で話すこと1時間。その間にスペインの生ハムや小さなオードブルをお盆に乗せた人が皆に食事を薦めてくれます。ウエルバは港町だけあって、ムール貝のオードブルなんかも絶品でした☆
その後にディナー会場に移動です。(といっても同じ庭ですが。)ケイタリングの会社が建てた大きなテントの中に丸テーブルが用意され、各自座席表を見て自分の席につきます。ここで、特に誰が言うともなく皆勝手に食事を始めます。この辺りが日本との大きな違いでしょうか。そして、そのうちに色々なテーブルで、恒例の”Vivan los novios! (新郎新婦万歳!)” “Vivan!”というかけ声がかかり始めます。他にも色々なかけ声があるんですが、とにかく賑やかです。さらに、「注目ー!」という時にはグラスをフォークやナイフで叩く人も。。。スペインならではというか・・・激しいです(笑)
宴もたけなわというところで、今回は新郎の友人数名がスピーチをしました。会場にはマイクがあるわけではないので、皆自分の席で立ってする程度の簡単なものですし、「ご両親、ご親族におかれましては・・・」のような前置き(?)はこっちでは全くありません。結構カジュアルです。皆、新郎新婦の人柄について語るのがメインですが、これが本当に良かったです。そして、それぞれがスピーチを終える度に、新郎新婦が席を立ってその人の所まで行き、順番にハグしてあげるのがまた良かったです。一人の友人のスピーチは本当に感動的で、新郎が目に涙を溜めてその友人の所まで行ってはっしと抱き合っているのにはじーんと来ました。こういう気持ちの伝え方っていうのは文化を越えて存在するんだなぁ、と改めて実感。
ディナーはとても美味しかったです。ケイタリングの会社が丘の上まで大型トラックで食べ物を運び、そこで温めてサーブしたわけですが、普通のレストランのように美味しかったです。日本の結婚式に比べると、食器やカトラリーの質は落ちると思いますが、本当に背伸びをしすぎない温かな披露宴でした。
そして、真夜中過ぎから家の中庭に行き、そこで新郎新婦のダンス。その後には、メキシコを旅行した時に聴いたマリアチ(メキシコの伝統的な音楽を演奏するグループの総称)の曲を皆で歌ったり、新郎新婦の胴上げをしたりし、皆で心行くまで踊りました。さらに、彼らはバンドグループを呼び、そのグループが色々と有名な曲をライブで演奏してくれ、興奮は最高潮に!(この時点で既に朝の3時。)
終わってからはアンダルシア地方のスープやサンドイッチが配られ、皆そこから踊り続けること3時間。私は最後はふらふらになっていましたが、それでも本当に楽しい一日でした。
日曜の朝にホテルに戻り、ちょっと寝てチェックアウト。その日の夕方には現地を発ち、マドリッドには真夜中に到着。月曜の仕事は本当に辛かった・・・
こんな素敵な友人と知り合えたことがただただ幸せで、皆に感謝で一杯の週末でした。
そうそう、私はキリスト教徒なので結婚式のミサでは聖体拝領に預かり、さらに出される料理は何でも食べ、メキシコの歌を皆と歌い、ディスコで皆と踊り、スペインのロック音楽で皆と一緒に叫んでいたら、最後には「本当に日本人???」といろんな人からきかれてしまいました。
まさにスペインそしてアンダルシアっていう風景だね。
タンザニアの奥地で出会うってなんかドラマの筋書きみたい。
俺もこんな気分のいいところで夜を徹して踊りたいわ。。。
旅行中は本当にいろいろありがとう!
次回はもっとスペインの文化というか生活をもっと知りたいし,経験したいなあと思いました。
スペインに行って,改めていろいろなことを考えさせられたよ。
日本人の普段意識しない慣習とか,考え方とか。
友人の結婚式本当によかったみたいだね。
それにしても,メキシコで知り合ってそこまで親密になれたということも素晴らしい。あと、新婦さんのバイタリティも。
私も国を越えて友達を作りたいなあと思ったよ。
ヨッキィ
この浜辺の、できるだけ手を加えていない感じがいかにもアンダルシアでしょ?マラガとかに行くともうちょっと違うんだけど、さすがにウエルバではそこまでは期待できず。
でも、海辺の漁師の家の料理がすごーく美味しくて、やっぱり魚介類はスペインが最高だと思ったよ
にしても、日焼け対策をしようにもできない場所ばかりなので、本当に日焼けばっかりだよ。それでも、こっちの友人と一緒だと彼らの方が色が濃いからまたすごい(笑)
また遊びにおいでね。
Hoffnungさん
また遊びにおいでよー。
確かに、スペインと日本では時間の感覚がまったく違うよね。
悪い面では、効率の悪さなんだけど、良い面では、人が他の人に割く時間をたくさん持っているってことかな。何気ない場所とかで気付くよね
国を越えて友達を作るには、まずは外国語なりよ。頑張ってね
結婚式は、人種や宗教、国や地域に関係なく誰もが祝う行事の1つですね。
ご紹介いただいた結婚式と披露宴、なかなか楽しそうです。
いろんな文化に触れる事ができて楽しそうです。
おぉ〜〜!待望の結婚式レポート第●弾!!!(←数は覚えていないw)
今回も神聖な式
から始まって、弾けるダンスパーティー
まで
本当にドキドキしながら読ませてもらいました♪
Harukiのレポートで色々とその文化や土地の背景など
解説してくれるから、より深くその空気が感じられるようで
とっても面白いよ!
そして、Harukiが国を越えて生活しているせいか
周りは本当に国際色豊かだよね〜
「スワヒリ語」なんて、歴史?地理?の勉強以来
久しぶりに聞いたよw
どんな言語なんだろう〜
調べてみよっとw
今回の花嫁さんの衣裳も、落ち着いた雰囲気で
ブーケが白一色にまとめられていたのが印象的でした。
前回で、フラワーアレンジメントがあまり浸透していないという
聞いていたので、地方の違い?それとも花嫁の趣味かな?
と、ちょっと興味を持ってみました♪
同じスペインでもやっぱり色々と結婚式があるんだね。
でも、どの結婚式もみんなで精いっぱいお祝いするのが
みていて幸せな気持ちをおすそ分けしてもらえました♪
知り合ったのが、タンザニア!
アフリカで香料を作り、ヨーロッパで売る!
オンナ一人で、アフリカで調査研究!
ペルーで同居!
結婚式がスペインで!
二人はスペイン人とフランス人!
言葉は、スペイン語、フランス語、スワヒリ語!!!
そしてたぶん英語!
アフリカ大陸、ヨーロッパ(ユーラシア)大陸、南米大陸、
あとは北米で暮せば、完璧ですね!
結婚披露宴が一晩中というのは、Harukiレポートで慣れましたが、
エネルギーには驚くばかりです!
お兄様にも凧揚げさせてあげたかったですね♪
鑢さん
ありがとうございます
本当に楽しかったです!本当にこうして見ると、各国それぞれの良さがあるな、って思いますね。
また他の国の結婚式にでも出る事があればレポートします(^^)
Cim
>おぉ〜〜!待望の結婚式レポート第●弾!!!(←数は覚えていないw)
私も(笑)
でも、興味を持って読んでくれる人がいて嬉しいよ
>「スワヒリ語」なんて、歴史?地理?の勉強以来
私も全然知らなかったよ。
覚えたのは、車は「ガリ」、複数形の車は「マガリ」、唐辛子は「ピリピリ」。。。何だか可愛いよね(笑)
フラワーアレンジメントについては、最近だいぶ浸透してきた感じがするけど、今回の花嫁さんのお花はかなり素敵な方だったと思うよ。
やっぱりフランス人なせいかしら
時々、日本の結婚式の写真をこっちの友人に見せると、「どうして新郎新婦が着替えなくちゃいけないの?」「何か普段とあまりにも違っていて、作られた感じがするねぇ。」って言われることがあるの。
日本人の私達からすると、「一生に一度だからあれもこれも・・・」ってなるのも分かるし、なんて言っていいのか難しい所なのよね。
でも、最終的には「心がこもっている」ってことが一番大事なんだと思うよ。というわけで、私は両方とも好きです(^^)
プリンさん
>結婚披露宴が一晩中というのは、Harukiレポートで慣れましたが、
>エネルギーには驚くばかりです!
私も、2年半こっちに住んでもまだ驚かされています(笑)
どんなに頑張っても、私は3−4時が限界。。。こっちの人の体力はすごいです!
何はともあれ、こういう違いを否定的に受け取らず、常に「こっちではこういうものなんだー」と思っていると、それだけで色んな人と仲良くなれる気がします。
と言っても、ここまで到達するまでに紆余曲折ありましたが
あと、こうして色んな人と知り合っていくと、「事実は小説よりも奇なり」って本当だな、って実感します。面白いですね☆
凧揚げ、すごく楽しいですよ。清々しい気分になります。
プリンさんもいかがですか?