ポルトガル旅行 2.ベレン(Belém)
リスボン周辺にも見所はいっぱい!今回は幸運にも二つの場所を訪ねることができたので、その場所を簡単にご紹介します。
ベレン(Belém)はリスボンの中心街から少し離れた所にある街で、バスで20分程で到着します。Metroや電車も通っているので、リスボン滞在中には是非日帰り旅行をお薦めします。知らない人も多いかもしれませんが、この街は長い間ポルトガルの海における覇権を維持するのに貢献した重要な港湾都市であったのと同時に、ここにある港からバスコダガマ(Vasco da Gama)が航海を始めたことでも有名です。
ここに対岸をつなぐ為に1962年に橋が建設されました。当時はヨーロッパで一番長かったこの橋は、その後1974年に起きた市民によるクーデターの日付を取って4月25日橋(Puente de 25 de Abril)と呼ばれており、リスボンの市のシンボルの一つとなっています。ちなみに、私たちはちょうどその記念日である4月25日にポルトガルにいたので、クーデターを行った人たちの象徴であったカーネーションを公園でもらいました。
- Palácio Nacional de Belém
ポルトガルは1755年に大地震があり、街のほとんどが大きな被害を受けました。その後国王José Iがベレンに居を構えたことからこの地域の文化が華やかに発展します。ベレンにある王宮は18世紀に国王マヌエル(Manuel)が建造を開始します。19世紀初頭には、何とこの王宮にはライオンや象が檻に入れられて飼育されていた上、小動物園として一般に開放されていたとか。現在では大統領官邸として使用されています。
- Fábrica dos Pstéis de Belém
FábricaはFactoryと同じ語源で、PastéisはPastelsのことです。要はベレンのお菓子屋さんです。1837年創業のこのお店の名物は、”Pastel de nata”と呼ばれるエッグタルトです。1つ90戦とで熱々のタルトを出してくれます。これに粉砂糖とシナモンをかけていただくのですが、これが本当に美味!外の皮がサクサクしていて中身はカスタードクリームのよう。持ち帰りもできますが、やっぱり出来立ては最高です。
- Padrao dos Descobrimentos
Padraoの”a”の上にはポルトガル語特有のニョロニョロがつきます。これはスペイン語のPadrón、つまり英語のPatronに当たります。そして、Desobrimento →Descubrimiento→Discovery、つまり「発見」です。海岸沿いに建てられ、ひときわ大きく目を引くものと言えば、この「発見のpatron達」と呼ばれる像と建物でしょう。写真を見るとご存知の方も多いと思いますが、このコンクリートでできた建物と大理石の像は1940年のエキスポ用に小さいサイズでオリジナルが作られ、1960年エンリケ航海王子の死後500年を記念して建設されました。この像の先頭にいるのがエンリケ航海王子で、手にはクーデターのシンボルであり、ポルトガルでは自由の象徴とされるカーネーションが握られています。かなりの迫力です。
- Monasterio dos Jerónimos
この修道院は先ほど出て来た国王マヌエルの好んだ優美で繊細な建築様式(Manuelito)を表す代表的なものとして知られており、ユネスコの世界遺産にも登録されている立派な建物です。海に関連したモチーフや東洋の動植物が混ぜられた様式とゴシック様式の融合には目を見張るばかりです。
ポルトガルのこの歴史ある建物の数々や美しい景色にはただただ感嘆してしまいます。そして、古いものばかり優先するのではなく、古い物と新しい物の共存を図る姿勢にも共感できます。古い物の良さを認めつつ、新しい物を取り入れる・・・。こういう部分が真の豊かさではないかと思います。