新しい家族
1月14日 朝8時40分、私たちの娘かおり・アルバ (Kaori Alba)が生まれました。予定日より2週間以上早かった為、予想外のハプニングも沢山ありましたが、出産は思った以上にスムーズでした。破水してから5時間後、お腹の中で元気に暴れ回っていた娘との対面を果たしました。
スペインでは決まった期間からの産休制度というものがなく、子供が生まれる前に法定16週の「産休・育児休暇」を使い始めるか、体調不良を理由に「静養届」を担当医に出してもらい、出産後に「産休・育児休暇」を使い始めるかの二種類があります。ですが、育児休暇で16週というのも、日本と比べればかなり短いもの。大体の人は、「静養届」→「育児休暇」という流れになります。
ちなみに、どの時点でこの静養届を出すかは人によって様々。体調が悪くて出産2ヶ月前から休む人もいれば、前日まで働いて出産になるという人も。私の場合、出産予定日2週間ちょっと前に医師より静養するように言われましたが、仕事が積み上がっていた上に出張で来る方との打ち合わせが既に予定されており、2日延長して働きました。その為、無事1日はゆっくりできましたが、出産が早まったことと相まって、結果的には出産2日前まで仕事をしていたことに。この1日の休みがなかったら・・・と思うとゾッとします。
1月14日。明け方3:45にベッドでうとうとしていた所、お腹の中で何かがはねるような感触があり、その後これが破水だと気づきました。そこで夫を起こし、「どうやら破水したみたい・・・。」と言った後で、二人ともはたと気づきました。
破水したらどうするんだっけ・・・?!
慌てて、出産準備のクラスで学んだ内容を読み返してみると、「12-24時間以内に出産」と書いてあります。今すぐ病院に行くべきか、それとも言われた通り陣痛が5分以内に来るまで待つべきか??保険会社の24時間サービスで聞いてみると、「それはもう緊急で病院に行った方が良いですね。」とのこと・・・。夫と二人で早速入院用の荷造りを始めました。
何も準備をしていなかったので、雑誌に書いてあった「必要なものリスト」を参考にすると・・・。長いタイプのパジャマ3つ(無し)、新生児用の洋服3セット(詰め込む)、バスローブタイプの羽織るもの(無し)、スリッパ(忘れる)、洗面用具(適当に詰め込む)、タオル(忘れる)、付添人の服(適当に詰め込む)、健康保険証(OK)、検診のレポート(OK)。
気がついたら陣痛も5分毎に来るようになっていたので、適当にスーツケースに詰め込んで出発!タクシーがちょうど逆方向から来たので、夫が「Haruki、タクシーが来たから道路を走って渡って!」と。
走って、って・・・陣痛が来ているんですけど・・・。
病院の緊急外来に到着すると、私のお腹が小さいせいもあり、誰も出産のために私たちが来たことに気づかず。陣痛で苦しんで歩けなくなると「え?出産?」と驚かれる始末です。お腹にモニターをつければ、赤ん坊が元気に動き回っているせいで心拍数が見られず・・・と、最初は前途多難な感じがしました。ですが、詳細な診断を受け、赤ん坊の準備がしっかりできていること、頭の位置が定まっているのでスムーズに行くだろうとの説明を受けて一安心。
その後は待機室と分娩室が一緒になった部屋で準備。夫が一緒にいてくれて安心でしたが、私を落ち着かせるためか興味のためか、「写真を撮るのどうしようか?今がいい?もうちょっと後がいい?」「あ、臍帯血のドナーになる準備をしていなかった。どうする?」と質問され、途中でげんなり。陣痛の波が来る中ではどうでも良く、「もう好きにしてよー!」と返事をしていました。陣痛がこんなに痛いものとは思わず、最初は声を出してしまいましたが、どうやらかなり疲労することに気づきました。そこからは呼吸法で乗り切る事に。
途中で無痛分娩の麻酔をするかどうか聞かれました。これは天の助けと了承したのですが、私の場合は子宮の開き方が非常にスムーズで良かったらしく、麻酔をする暇がほとんどありませんでした。最終的には、「無痛分娩にすると回復に時間がかかりますし、とてもスムーズに進んでいるので自然分娩にしましょう。」とお医者さんに言われました。良いのか悪いのか。残念・・・。
分娩ではかなり疲労しましたが、ここまで来ると痛みもほとんど感じなくなり、とにかく赤ちゃんが無事に出て来るように・・・との気持ちだけで頑張りした。途中で時間がかかりましたが、対応してくれたチームの手際の良さ、夫の励ましに助けられて無事に出産を終えることができました。
終わった時に泣いている娘が胸の上に置かれました。色々な人から、「感動で涙が出て来るよ。」と言われましたが、私の場合は感動というよりは、「あ、こんな色をしているけれど、ちゃんと泣いているなぁ。」という驚きと、ひとまず大きな仕事を終えた安心感という方が強かったです。
その後夫と二人で病室に移動するまで、子供と一緒に親子水入らずの時間を過ごしましたが、子供が無事に生まれてきたことと、夫が側で支えてくれたことにただただ感謝で一杯でした。
「かおり」は私の母の名前です。2003年に亡くなりましたが、私にとってはいつまでも大切な人であり、私にたくさんの影響を与えた人です。「アルバ」は私が好きな名前の一つで、スペイン語で「夜明け」「夜明けの薄明かり」と言った意味があります。この二つの名前を持つ娘の誕生は、日本とスペインとのつながりを意味するだけでなく、私にとっては異国で初めて持つ血のつながった家族を持つという意味もあります。同時に、私たち夫婦にとっては、文化や考え方の違いが人生を豊かにするということの象徴だとも思っています。娘の誕生に感謝し、私たちを支えてくれた家族や友人に感謝し、この育児休暇を大切に過ごしたいと思います。
はるきさん、おめでとうございます!!!
かわいい赤ちゃん!
そして素敵なお名前!
感動しました・・
>木綿子ちゃん
どうもありがとう。
日本語の名前の中には、スペイン語では聞こえがよくないものもありますが、「かおり」という名前は覚えやすくて音もきれいだと言われました。
スペインでもこの名前が好評でホッとしています(笑)
Harukiさん
おめでとうございます。
お二人とも元気でよかったですね。お名前もとても素敵です。よい選択ですね。
お嬢さんだから将来きっと心強いサポーターになってくれることでしょう。
2011年とてもよいスタートになりましたね。
Chihoさん
どうもありがとうございます。
会社の人には、「Duquesa de Albaから取ったの?」と言われて、それはちょっと・・・と思いましたが(笑)
すくすくと元気に育ってくれているようで、それが一番嬉しいです。
2011年もまた変化の多い年になりそうです。
Harukiさん、おめでとうございます&おつかれさまでした!
とってもかわいいですね♪
名前も素敵です!
授乳等で慌しいと思いますが、Harukiさんもしっかり休養してくださいね!
MIGUさん
どうもありがとうございます!
MIGUさんの息子さんもとても可愛いんだろうなぁ・・・と想像しています。
授乳やおむつ等はありますが、私はすっかり義母に甘えてしまって毎日美味しい食べ物を作ってもらっているので、本当にラクをさせてもらっています。
これから夫が仕事を開始し、義母がスペインを発ってからが試練になりそうです。
ちょっと 遅れましたが・・・
おめでとうございます。
わたし 2人目の時 朝起きたら 出血して・・
夫に言ったら 大丈夫 寝なさい。 と言われて
寝てたけど すっごく痛くて 病院に行きました。
で わたしは それまで 夫は 生物学者だから絶大の信頼を持っていたんだけど
どーも あやしいぞって 思い始めた(笑)
Cazorlaさん
ありがとうございます。
私も今回のお産がうまくいったから夫に感謝でしたが、途中で何かが間違っていたら、「夫を信頼して準備を後回しにすべきじゃなかった・・・」と後悔するところでした(笑)
旦那様、生物学者なんですね。
スペイン語での生物用語はいつも分からなくて困るので、そういう方が身近にいる環境は素晴らしいと思います。
(ちなみに、今のお題は「隔世遺伝」。夫の回答ではちょっと納得できず、自分なりに調べようと思っている所です。)
Harukiさん、遅くなりましたがアルバちゃんのご誕生おめでとうございます。
私もAlbaという名前大好きです。出産後のHarukiさんも、母としての喜びが顔に出ていて、とてもお綺麗ですよ!
スペインにいながら、自然分娩というのはすごいですね。私は2度とも帝王切開でしたので、なんとなくズルをして母親になってしまったような後ろめたさがあるので。
赤ちゃんってあっという間に大きくなってしまいますので、毎日毎日の成長を旦那さまと一緒に楽しんでくださいね。
あと、育児ストレスを感じたら、ためずにすぐ息抜きをしながらがんばってくださいね。
Yumiさん
ありがとうございます。
本当は自然分娩より無痛で・・・と思ったのですが、願い叶わずでした(笑)
(スペインは他の国より帝王切開のケースが多いらしく、さらに昨年末は有名なcheque bebéが終わるということで、大量の帝王切開のケースがあったと聞きました。)
でも、帝王切開は回復に時間がかかると聞きますから、Yumiさんは回復中に子育てで大変だったのではと思います。
まだ娘が生まれてから1ヶ月半程度ですが、その間の成長の早さに既に驚いています。
洋服があっという間に小さくなりますねぇ。
夜の授乳等は多少大変ですが、それでも良い子なので助かっています。