公園デビュー
公園で友達と遊ぶ娘。平日のお昼は、子供を連れるお手伝いさん達にも大勢会います。
日本にいた頃、子供雑誌で「公園デビュー」「公園デビューの注意事項」「公園デビューの際の服装」等の特集があると聞きました。子育てをするようになってから、実際の所日本ではそんなに大変なことなのかしらと思い、インターネットで検索してみた所、そういう場所もあるものの、それが一般的ではないことを知りました。（ちょっと安堵。）
とは言え、スペインの人達と話していると、日本に「公園デビュー」という言葉があること自体にびっくりされます。「道を歩いていて公園を見つけて、そこで子供を遊ばせるだけで良いんじゃない？」「そもそも、外に出る時には子供にもある程度しっかりとした格好をさせるから、公園用に特別の服を用意する必要もないと思うけど。」といったコメントをもらいました。
なるほど・・・。
スペインでは、赤ちゃんが生まれたその日から毎日外に出ることを奨励されます。少しだけでも陽に当たってビタミンＤを生成することによって、生まれた直後の皮膚の黄色い色素を少しずつ落としていく、というのが理由です。ですので、我が家の場合は、娘は生後１週間で既に公園の散歩を経験していました。日本では、生後１ヶ月位までは外に出さないのが普通と聞いたので、きっとこの辺りも「公園デビュー」に影響を与えるのかも知れません。
まだヒヨコのシーソーに慣れていない頃のかおり。ちょっと表情が固いです。
実際に公園で遊ぶようになったのは、娘が１歳になるかならないかの頃でした。義母が一度娘とお散歩をしていた所、公園にかおりより小さい子供たちがいるのを発見。そこで、近寄ってみると、かおりでも乗れそうな遊具がいくつかあることに気づきました。周りの人と話して見ると、中には７－８ヶ月の子供もいることが分かり、それならとブランコに乗せてみると・・・。かおりは慣れていなくて硬直。その後シーソーに乗せてみると、かおりは嫌がって暴れ、木のひよこに顔をぶつけてこぶを作って泣き始めました。可愛そうに思い、責任を感じた義母も一緒に泣き、それを見た周りの人が、「こういう怪我はオリーブオイルを塗ればすぐ治るから大丈夫よ。」と励まして（？）くれたらしく、顔に少し塗ると・・・数時間後にはキレイに消えていました。
以上が娘の公園デビューです。
おばあちゃまと一緒のかおり。随分表情がイキイキとしてきました。
その後、娘のお世話をしてくれる女性が毎日娘をその公園に連れていくようになり、たった１週間でかおりは公園が大好きな子になっていました。シーソーに乗せれば上下に身体を動かすようになり、ブランコに乗せれば両手を離してひらひらと手を振るように。（安全柵がついているので、手を離しても落ちません。）この変化には本当にびっくりです。
これだけ高くあげてもへっちゃらです。
また、同じ時間帯に行く為、一緒に遊ぶお友達も何人かできたようです。それぞれがおもちゃを持ってくるようで、皆で仲良く遊んでいると聞きました。（私は仕事に出ているので、その時間の子供たちを見ることはできませんが。）
週末のお散歩は私達の役目です。我が家の近くの公園は観光地としても知られている場所なので、公園に来るメンバーはよく変わります。その為「特定のお友達」はいませんが、そこにいる誰とでも一緒に遊ぶので、パパやママとも会話ができて楽しいです。
公園の様子。ここから見える夕陽は本当にキレイです。
もちろん、いつも良い人に当たる訳ではなく、中にはちょっと失礼な態度を取る人もいます。近くの女性（スペイン人ではありません）に、「あなたのお子さんは何歳ですか？」と聞いたら、「関係ないでしょう。」と言われてびっくりしたこともありました。でも、親切な人が沢山いる為、その失礼な人一人の為に公園から足が遠のくことはありません。この、「顔を合わせた人と会話が始まる」というのはスペインならではかも知れませんね。
先日は、友人夫婦が子供を連れて我が家に遊びに来たので、かおりとその子ソフィアちゃんは二人で一緒に遊んでいました。まだ「一緒に遊ぶ」というほどでもありませんが、二人で思い思いに砂を手に取ってみたり、ブランコに乗ってお互いに顔を合わせてみたり・・・と、見ているこっちも嬉しくなりました。
ソフィアちゃんとかおり。輪投げの輪を埋めたり、砂をかけたりしていました。
ちなみに、ソフィアちゃんには同い年位の従姉妹がいて、叫んでソフィアちゃんを驚かしてはおもちゃを取り上げるとのこと。ソフィアちゃんはそういうのに慣れているせいか、かおりのおもちゃをささっと取って遊んでいました。かおりは慣れていないので、呆然として座ったままそれを見ているのみ・・・。親としては、気が良すぎるのも良くないなぁ、とちょっともどかしく感じた日でした。
