バルセロナ家族旅行
バルセロナには仕事ではよく行くようになったものの、観光では2009年に一度行ったことがあるだけでした。そこで、今回は夫がバルセロナに木曜から出張だったので、私は金曜にお休みをもらって娘と一緒に現地に行き、午後から夫と合流して週末を過ごすことにしました。久々の、娘を連れての週末旅行です。
前日は、娘の相手をして寝かしつけた後に最後の荷作り。そして、金曜日の朝9時半初の電車に乗るということで、ちょっと気が張った状態で起床です。いつも娘のお世話をしてくれるお手伝いさんに来てもらったので、ことのほかスムーズに進み、娘はしっかり朝食も食べてご機嫌。お手伝いさんにお別れのキスとバイバイをして、自分のおもちゃの入ったリュックを背負って出発!
しかし・・・家を出て数分、タクシーを拾って駅に行く途中の10分強の間に悲劇が起きました。何と、車の中でむずがっていた娘が、いきなりタクシーの中でもどしてしまったのです。私は大きなタオルを持っていたものの、それでは間に合わず、さらに袋を出す暇もなかった為、後部座席の足下がかなり汚れてしまいました。(しかも、こういう日に限ってしっかり朝食を食べた娘・・・。)運転手は、この惨事に憤懣やるかたなし。悪態をつき始めました。
彼曰く、「こんな状態ではお客を乗せられないから、まず座席のクリーニングをお願いしなければいけないんですよ。出費がある上に、その間はお客を取れないっていうことだから、二重の出費なのがわかりますか!」と怒り口調。娘は涙目で外に出たがり、運転手は不満たらたらなので、最後は私も丁寧口調ながら怒ってしまいました。「あなたが大変なのは分かりますし申し訳ないと思いますが、苦しんでいるのは私の娘なんですよ。それに、娘がこんな風にもどしたことは今までなかったんです。どうやって防げと言うんですか。何よりも、自分の子供が苦しんでいる側でお金がどうこうと言われると、非常に不愉快です。」と言ってしまいました。それで、彼も少しは考えてくれたのか、黙ってくれました。最終的には、彼の態度が理解できないこともありませんでしたし、悪態をつきつつも私に対する話し方はそれなりに丁寧だったので、30ユーロ多く払って終わりに。とはいえ、やはりちょっと後味の悪いスタートでした。
その後、思った以上に早く駅に着いたこともあり、娘の汚れた服を全てトイレで手洗いし、手の乾燥機でだいたい乾かし、それを再度着せて出発です。電車が出発する頃には、すでに息切れしていました。いやはや、本当に災難でした・・・。
電車の旅は約2時間半。途中で退屈して泣き出した娘ですが、ここで抱っこ用のリュック登場。それに娘を乗せて少し歩いているうちに、疲れて寝てしまいました。ようやく休めると思いましたが、眠りこけた10キロ以上の娘を抱っこしながらできることは限られており、結局何もしないまま1時間が経過し、そうこうしているうちにバルセロナに到着です。
ホテルにチェックインし、娘にお昼ご飯をあげたり荷物の整理をしたりした後は、娘と一緒に私の職場のバルセロナオフィスに行き、皆に挨拶をしました。そこでもある程度良い子にしていた娘ですが、やはりオフィスの物を何でも触れるわけではなく、疲れと相まって1時間後にはぐずり始めました。皆にかわいがってもらえて感謝でしたが、ちょっとお邪魔だったかな、と後で反省です。
その後は不機嫌な娘の懐柔作戦。同僚とお茶をいただいてゆっくりした後、バルセロナで観光をする前に娘を公園に連れて行くことに。周りの人に道を聞き、ようやく公園に辿り着くと、娘は公園を見るなり大興奮。すっかり裸足で滑り台を堪能していました。本当に、この年の子供にとっては観光より公園とご飯ですね。
夫と合流した後は、ちょっと市内を散策し、それから私の好きなレストランLa Flauta(The flute)で夕飯です。バルセロナの名物としてよく知られているPan tumaca(バゲットにニンニクをすりつけ、その後にトマトペーストとオリーブオイルをのせたもの。カステリャーノ語ではPan con tomateのこと。)がこのお店の名物として知られており、そのバゲットが細長いことから、このお店の名前が来ています。かおりはこのパンが非常に気に入ったようで、とにかくもぐもぐ食べ続けていました。
他にも、フォアグラのオープンサンドもとても美味しく、軽く焼いた目玉焼きと細く切ったフライドポテトを混ぜた名物「ウエボス・カブレアオス(huevos cabreaos)」も絶品です。ちょっと油の多い料理ばかりになりましたが、大満足でお店を後にしました。
二日目は、会社の同僚の日本人女性二人と夫々の旦那様(両方ともスペイン人)を交えてのランチでした。とても美味しい和食とスペイン料理に舌鼓を打ち、また、皆で日本語とスペイン語を交えての会話はとても楽しかったです。同僚の一人には2歳半の娘さんがいて、さらにもう一人は10月出産予定とあって、子供トークが会話のかなりの部分を占めましたが、それも含めて楽しい時間を過ごしました。お料理を準備してくれた二人と、優しい旦那様達に感謝です。(そして、もちろん公園タイムがありました。)
三日目は、一時的に天気が悪くなり、雨宿りをしたりで大変でしたが、それでも有名なモンジュイックの丘に行ってバルセロナオリンピックのスタジアム等を見ることができ、当時の様子を思い出したりしました。また、その後は旧市街の大聖堂や古い地区を見て回り、ゆっくりお昼をいただいてから帰宅することができ、とても良い思い出になりました。
今回旅をして思ったのは、①旅というのは意外と夫との会話の時間が増えること、②子供連れで旅行をすると皆の親切を更に感じること、③子供がいると別の旅の楽しみ方を見つけることです。
①
夫とは、もちろん日々の会話もある訳ですが、平日はお互いに仕事や家事でバタバタしている為、どちらかと言うと私たちは家ではぼーっと静かになってしまうようです。または、夫がテレビを見ている横で私が本を読んでいたりと、同じ空間で別のことをしていることもしょっ中です。こうして二人で沢山歩くと、色々な会話が出てくることに気づき、仕事のことや今後のこと等について、思うままに話すことができました。そういう意味でも旅って良いものだと感じました。
②
子供を連れて旅行をすることの良さ。行きの電車では子連れの女性と意気投合して色々な話をし、私がトイレに行く時に娘を見てもらったりしました。また、ホテルの朝食ではウェイトレスの女性が娘の哺乳瓶に暖かいミルクを入れてくれ、終わってからは哺乳瓶を洗ってくれたり・・・と、細やかな心遣いに感激しました。観光でどこに行くかを話した時にも、子供でも喜びそうな場所を教えてくれたりして助かりました。普通のレストランに入った時も、娘のミルクをウェイターにお願いしたら快く引き受けてくれた上、「これはメニューにないので無料です。」とのこと。また、通りでバラの花を売っていた男性が、娘に無料でバラをくれたりもしました。結局ウェイターにはチップを多めに払い、バラの花売りの男性にもちょっとお金を渡しましたが、こういう自然な優しさを目にできて嬉しい旅でした。
③
子供がいると所謂普通の観光はできませんが、そういった制限がある中でも楽しめることが沢山あります。子供を持っている同僚のお家に遊びに行った時も、この年頃の子供がどんなものに興味を持っているのか、日本語とスペイン語の教育をどうやって両立させているのか等の話もできて、色々学びの多い旅でした。また、ちょっと公園に行ってそこの公園のお母さん達と話をしたり、ゆっくりと散歩を楽しんだりしたのも良い思い出です。観光地というだけでなく、そこに住む人との触れ合いが増えるのは、やはり子供のお陰ですね。
次の家族旅行は9月までありませんが、こういう形で時々企画するのも良いなと思った週末でした。
はじめまして。
年明けから主人の仕事の関係でバルセロナに住むことになった
まきのと申します。
勝手にブログを楽しく拝見させて頂いています。笑。
私も学生時代アメリカで過ごし大学卒業後日本で5年働き
今回主人の転勤を期に会社を退職しました。
もうすぐ一歳の娘が居ます。
バルセロナで語学学校(後に大学)に通いたいと考えています。
現地でお勧めの語学学校はご存知でしょうか?託児所つきだと
なお良いのですが、、、スペイン語のレベルは高校時代にかじった
程度です。
全くの新境地で知り合いもいなく、この場をお借りして質問を
させて頂きました。
まきの みき
まきのさん
初めまして。そして、コメントをありがとうございます。
バルセロナの語学学校とのこと、残念ながら私はバルセロナに住んだ事はありませんし、現在バルセロナにいる知り合いのほとんどは滞在数年という人達ですので、当時の情報が今そのままお役に立つかどうか分かりません。
それでも、聞いた所によると、Universidad Autonoma de MadridやUniversidad de Barcelonaはなかなか良かったそうです。託児所付きかどうかは友人も知らないそうですが、こちらでは人を雇ってお願いすることがかなり頻繁にあるので、そういう人を捜すのも一つの方法です。
私自身はマドリッドの公立大学の語学コースに通いました。
良かったのは、(当時)授業時間に対して学費が比較的良心的だったこと、学食で美味しく経済的にご飯を食べられたこと(当時、パエリヤだけで3ユーロ程度、ボーイさんと知り合いになってからは飲み物を無料でもらっていました)、大学生と直接知り合えたこと(他愛もない会話をする程度ですが)、その後の大学院に関する情報もすぐに得られたこと等です。
逆に、設備はそこまで良くなく、毎年来るアメリカからの留学生集団がスペイン語をほとんど使わず、一緒のクラスの時はちょっと足を引っ張られる感じがしました。
教授の質は色々で、とても良い教授もいれば、ちょっと人間的に(?)問題アリという人もいました。
(その辺りは、2006年の日記に書いてありますが・・・。)
でも、それはどこでもあることかも知れません。
色々不安もあるかも知れませんが、始めれば意外とうまく進むものですよ。
応援しています。
Universidad Autónoma de Barcelonaです。失礼いたしました。。。
Harukiさん
情報ありがとうございます!
大学に付属の語学コースか、語学学校か迷ってました。
後に大学院に進むのであれば前者が良さげですね。
頂いた学校名とHarukiさんの経験談を含め、学校選びの
参考にさせて頂きますね!
(2006年日記覗かせてもらいます)
日本では保育園は定員割れで入れなかったりで(関東のみ?)、
子供を預けるのに一苦労のようです。その点、そちらでは
人にもお願いできる環境なので一安心しました。
また素朴な疑問、させて頂くかもしれませんが、宜しくお願いします!
まきの
まきのさん
私でよければ、何かありましたらいつでもどうぞ。
お待ちしていますね。