宝くじ
日本でもファンの多い宝くじですが、何とこの「宝くじ」という名称は、1945年10月、戦後の日本でインフレが激しくなり、浮動購買力吸収の必要性が大きくなった時に政府がつけた名前だとか。その前は「冨くじ」と呼ばれていたそうです。
何はともあれ、日本で人気のある宝くじですが、この人気は日本だけではありません。スペインでも、クリスマスの宝くじは国民的行事としてよく知られており、特にクリスマスの宝くじは売り切れが続出する程の大人気です。
この宝くじの特徴は以下の通り。
1. くじはかなり高額で、一枚20ユーロ!私は毎年2枚買うだけですが、平均の出費額は49ユーロだとか。(私はすでに平均以下です。)知り合いの中には、このくじに300〜500ユーロ費やす人も。
2. くじは友達や会社の同僚と買うのがかなり一般的。まとめ買いをすると全員に同じ番号が行くようになっている為、「同僚が買って自分は買わなかった為に、自分だけ当たらなかった」とならないように、普段買わない人も買う仕組みが出来上がっています。また、職場で1枚、スポーツジムで1枚、趣味のグループで1枚、大学の卒業生同士で1枚・・・等としているうちに、あっという間に大量購入ということにも。出費の多いクリスマスシーズンです。
3. クリスマスということもあり、くじの図柄にはいつもキリスト生誕の絵が。(スペインでこういう絵画に事欠くということはまずありませんね。)今年の宝くじの図柄はとても素敵で、この絵画を保有するプラド美術館の入館者数が11月から増加したとか。これも宝くじ効果でしょう。
クリスマスの宝くじは、今年で何と250周年。記念切手が販売されたりと賑やかな反面、宝くじの収益はかなりの部分がスペインの国税庁(?Haciendaと呼ばれます)に行くということで、それに不満を持って買わなかった人もいたとか。色々と政治的部分も見えてくる宝くじです。
スペインのクリスマスの宝くじは、数字が書かれたボールが入った大きな球状の鳥かごのようなもの(bombo giratorio)を回し、そこからコロコロと落ちてきたボールの数字を読んで5桁が揃えば一等となるようになっています。この宝くじは、カルロス三世という王様が、フランスとの独立戦争後の経済政策として始めたものです。当時はボールに1〜90までの数字がかかれており、抽選日は12月10日だったとか。(現在はクリスマス直前の12月22日です。)
宝くじ開始から約50年後、独立戦争の際にカディス県の政府がLotería modernaという名前の宝くじを販売します。この時には、宝くじの番号が入った宝くじ券が売られるようになりました。そして、1892年より、この宝くじが「クリスマスの宝くじ」と呼ばれるようになります。
宝くじの当選番号(números agraciados)を読み上げるのは、サン・イルデフォンソ学校(Colegio San Ildefonso)の生徒達です。しかも、ただ読み上げるのではなく、伝統的な方法で歌います。例えば当たり金額が100万ユーロだと、「ウン、ミヨン デーーーー エーーウローーース(un millón de euros)♪」と言った感じです。この番号の歌い方、落ちてきたくじのボールの見せ方、歩き方等に色々形式があるそうで、緊張して声が裏返る子供も多くいたとか。
このサン・イルデフォンソ学校は設立1543年と歴史の古い学校で、カルロス5世が身寄りのない孤児の為に設立したものです。歴史的にも、こういった孤児がスポットライトを浴びる場を作り、同時に孤児院への寄付金を募るというのはいかにもキリスト教という感じがします。いずれにしても、孤児にこういう場を与えるということは、一年に一度こういう子供達がいるということに気づくきっかけにもなるので、個人的には良いことだと考えています。
私も夫も例年通り職場で宝くじを買いました。抽選日の12月22日には、スペインのかなりの部分の国民がテレビに釘付けで、番号を歌うように読む子供達を熱心に見ています。私達は今年も外れてしまいましたが、この宝くじを見ると「忙しい」季節の到来を感じます。
こんばんは。
お肉屋さんで初めましての者です。
今週はフランスから友人が来ていて夜更かししています。
私も初めての宝くじハズレ、残念でした。
今月下旬から夫が出張で2週間不在になります。
自由な時間ができるので、もしお会いできたら嬉しいです。
ご迷惑でなければメールいただきたいです。
よろしくお願いいたします。
sandazさん
メッセージをありがとうございます。
お肉屋さんでは本当にお声をかけられてびっくりしましたが、こういう形でご縁が続いて嬉しいです。
では、別にメールをお送りしますね。