独身生活再び?!
今年の夏は諸々の事情により私は休暇を取るのが難しく、休暇シーズン真っ只中のマドリッドに残って仕事をすることになりました。そういう中、義両親が「子供達だけでもマルベヤに行ったらどう?」と勧めてくれた為、まずは娘を8月14日に送りました。その後、ようやく休暇が取れることになった夫が息子を連れ、8月19日から彼らと合流しました。そうなってみると、久々に自分一人の世界です。
スペイン語では、家族やカップルがいなくて一人で残る人について、「ロドリゲス状態(“Estar de Rodríguez”)」という表現があります。「私はロドリゲスなの。」というこの不思議な表現は、どうやら1965年に放映された「ロドリゲス氏の暑い夏(“El cálido verano del Sr. Rodríguez”)」という映画が元になっているようです。この映画の内容は、休暇で外に出た妻と子供達と離れたペペ・ロドリゲスという男性の話で、映画自体はそこまで有名ではなく、まず知っている人はいないような感がありますが、なぜかこの表現は会話でよく使われるようになりました。
独身生活に舞い戻ったような不思議な感覚とでも言いましょうか。やはり、自分一人で過ごすというのは全く違います。自分一人の食事の準備は随分楽ですし、帰りたい時間に家に帰れますし、寄り道もできます。また、子供達のお手伝いさんもお休みを取ることになったので、ちょっと「適当な生活」もできるようになりました。何が適当かと言うと、台所が多少汚れていても、彼女に仕事が行く訳ではないので、その日のうちにキレイにしなくても良いという気持ちになります。洗面台周りに物が多少出ていてもOK。ベッドメイキングが多少下手でも、誰も見る訳ではないので安心。。。ちょっと堕落の生活でもありますね。
そして、あまりしてはいけないのですが…結構残業もしてしまいました。今はかなり仕事があるので、時には8時過ぎまで残ったりし、その後に家に帰って気分転換にピアノを弾くなんてこともしました。
<家族の休暇中にしたこと>
1.ピアノ
とにかくピアノを沢山弾きました。子供がいるとどこかでかならず中断されるのですが、30分ノンストップで弾くことができ、これは4−5年ぶりではないかと感無量(笑)また、一人だと誰に聞かせる訳でもないので、自由に弾きたい曲を弾き、何度も簡単な練習もして…と、充実した時間になりました。
2.外食
友人と一緒にお茶や夕飯。日本に行った事のある友人夫婦と新しい和食のレストラン(居酒屋?)に行ったり、私と同じように家族全員休暇でいない友人と新しい中華レストランのお店に行って語ったり…とても楽しいひと時でした。
3.市場開拓
友達から声がかかり、以前から行きたいと思っていたMercado de Maravillasという市場の八百屋さんに行ってきました。普段は30分以上も待つという大人気の八百屋さんで、売っている物はかなり高めですが、本当に素晴らしく美味しい野菜や果物ばかりでした。
さらに、新しいパン屋さんにも挑戦。ほうれん草の入った珍しいパンを購入。なによりも、久々に会った友人と沢山話ができ、市場の買い物カートを持ったままお昼もお茶も一緒にできたのが嬉しかったです。11時に待ち合わせをして買い物をした後、結局別れたのが5時過ぎ。長くて楽しい買い出しの一日となりました。
4.ホットヨガ
実は、今かなりホットヨガにはまっています。クラスが1時間半、そしてその後にシャワーを浴びたりするので、子供達がいると中々難しいのですが、一人ということで、時には夜の9時のクラスにも参加しました。11時位にバスに乗って家に帰る訳ですが、夜のマドリッド市内の美しさにも改めて感心し、自由に行動できることの有り難さを感じました。
5.指圧
これまた4、5年ぶりで、いつもお世話になっている指圧師さんの所に行ってきました。子供がいるとなかなか時間が取れない中、久々にゆったりとした時間を持つことができ、とても幸せでした。色々と体のことや考え方等でためになる話を聞き、とても感謝で一杯です。そして、背中がとても軽くなりました!
6.喫茶店探索
マドリッドでは一、二を争う歴史のある喫茶店ヒホン(Gijón)に友人と一緒に行き、古くて落ち着きのある雰囲気を楽しんできました。地下にある昔の常連の絵や詩も堪能することができました。(Camilo Jose Celaの絵もあります。)
また、別の日には、以前から是非行きたいと思っていたお洒落な喫茶店も訪問。カプチーノに絵を描いてくれる場所は、マドリッドではここが初めてかも知れません。。。一人で行きましたが、とても居心地が良かったです。この喫茶店についてはまた今度詳しく書こうと思います。
7.映画鑑賞
これまた子供がいるとほとんどすることはできず、家で映画をつけると言えば、娘の注意を逸らしてその間に夕飯の支度をする時ばかりだったので、何だかとても新鮮でした。
8.ブラインド設置
家族がいない間に、業者に頼んだブラインド設置を終えました。以前は直射日光が強いということで雨戸を半分閉めて過ごしていましたが、やはりブラインドがつくと部屋の雰囲気が全く変わりますね。光も全体的に柔らかく入る為、部屋が明るくなった印象です。少しずつ懸案事項が片付いていくのも嬉しいです。
さて、独身生活も終わりを告げ、家族が戻る土曜日となりました。
前日から食事の準備(すでに量が違います)をし、アトーチャ駅で待っていると…夫と娘が無事に到着しました。娘はとても元気そうで、毎日プールや海に行っていた為、かなり日焼けをしていました。私に会うなり、「お母さん、会いたかったよ。」と行ってくれ、私もとても嬉しかったです。
息子は夜に義両親と一緒に車で到着です。ちょっと車酔いをしたものの、元気に戻り、子供達二人で家の中を走り回っていました。
あっという間に終わったお一人様の時間でしたが、とても充実した時間だったと同時に、子供と夫が戻ってきて、家が明るくなったような、そんな気分になります。
夫は休暇中にいつもより子供達につきっきりになっていた為、「休暇のようで休暇ではなかった。」と言っていましたが、それでも子供達と沢山の時間を一緒に過ごせて良かったみたいです。
すやすやと眠っている子供達を見て、ようやく子供部屋が子供部屋らしくなったなぁ、と満足した夜でした。