Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

スーパーにて

MadridのCasa de Campoという公園から見えるアルムデナ大聖堂。秋の気配が漂っています。

MadridのCasa de Campoという公園から見えるアルムデナ大聖堂。秋の気配が漂っています。

日曜日にスーパーに買い物に行った時に、ちょっと驚く体験をしたので書きます。

私達は、週末に大量の買出しをするのが普通。料理するものを決め、必要なものをメモし、私は意気揚々とリュックサックを背負って出かけました。

まず、近くの八百屋さんへ。ここで働く人たちはモロッコ系。スペインとモロッコは近いので、かなりモロッコからの移民が多いんです。そこのお兄ちゃんたちと顔見知りなこともあって、1ユーロ小銭が足りなかったにも関わらず、「また今度来た時に払ってくれればいいよ。」と一人が言ってくれました。こういう優しさは嬉しいな、と思いながら幸せな気分でスーパーに。

スペインのスーパーは市場が発達したものに近く、スーパーの中にお肉屋・八百屋・お魚屋・パン屋がある所が多いです。そこの何人かとも既に顔見知り。ぶっきらぼうな人も多いですが、それが嫌な感じではないので特に気になりません。

が・・・

レティロ公園の木々。

レティロ公園の木々。

レジで精算する時にびっくりしました。私が支払い終わってリュックに食料を詰め込んでいると、店員の女性が次の男性の品物をレジでまとめ、男性が支払い終わると袋に入れて手伝ってあげているではないですか!私が先に到着して荷物を詰めているのに、それは手伝わず・・・。そこで、「すみません、ポリ袋をいくつかもらえますか?」と言った所、袋をくれました。たった一つ・・・。

男性が去り、レジの店員は次の女性の対応。そこでもまた荷物を袋に入れてあげているのです。その前からいる私はまだ荷物を詰めているのに・・・。明らかに私の後のお客さんは二人ともスペイン人。もしかして、私一人がアジア人だから???なんて思いましたが、何も言わずにそういう考えを巡らすのは好きじゃないので、ちょっと迷った後に思い切って聞きました。

「すみません、どうして私には対応してくれなくて、私の後の二人の荷物をつめるのは手伝っているんですか?私も顧客の一人なんですけど。」と、冷静に聞くと、この店員はビックリした模様。最初は何を言えばいいのか戸惑っていたようですが、私が尚も「きちんと理由を説明してほしいんですが。」と言うと、「だって、中国人に対してはいつもこうしているから・・・。」と!!

この返事には正直私もビックリしました。スペインにいる中国人は、概してスペイン語がそんなに上手ではありません。ほとんど話せず、いつも中国人同士で固まっている人も大勢います。でも、言葉があまり上手じゃなくて全く別の文化の人達だからと言って、同じレベルのサービスを提供しないのはやはりおかしいのではないでしょうか。しかも、私は中国人ではなくて日本人ですし、スペイン文化にもどっぷり浸かっていてスペイン語だって話せますし。

レティロ公園の中の建物Casa de Velázquez

レティロ公園の中の建物Casa de Velázquez

最終的には、その女性に「私は中国人ではなくて日本人です。それに、私はもう2年以上もこのスーパーを利用しています。顧客によってサービスの質を変えて、さらによく来る顧客でも人種によって対応が違うというのはおかしいと思いませんか?今度こういうことがあったらマネージャーと話をさせて下さい。」と言ってそのお店を出ました。

確かにこの対応には不満でしたが、まぁ言いたいことは言ったので、意外とスッキリしました。日本だと、ある程度質の高いサービスに慣れている上、日本人ということで、差別を感じることはほとんどありませんが、その反面、こういうことがあった時にクレームをつけるのに慣れていないように思います。私もその中の一人だったので、本当にそう感じられます。(日本のサービスが恋しい・・・。)でも、言わないで後で恨みをひきずるよりは、多少強いと思われようと、その場で不満を解決する方が健全だと感じました。この3年半の滞在で、随分強く逞しく、そしてある意味もっと健全になったのでは?なんて感じた一日でした。

ちなみに、これを夫に伝えた所、夫は激怒して「今から一緒にお店に言ってマネージャーと話そう!」と言いました。結局説得して行かなかったのですが、やはり私がこのような不当な「差別」に遭うと、彼としては怒りが収まらなくなるようです(笑)でも、それだけ私のことを親身に思ってくれる人がいるというわけで、海外で暮らしていると、こうして自分を守ってくれる人のありがたみをさらに感じます。 経験って、マイナスの側面もあればプラスの側面もあるものですね。

いろいろありましたが、優しい八百屋のお兄ちゃんとのひと時、移民に対して無知な(でも悪意のない)人との出会いを経験し、同時に私のことを気にかけてくれる人がいることを改めて実感し、こういう経験もある意味貴重だなと思った一日でした。

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4 Comments

  1. Dear Haruki,

    I love your blog, mainly because of the photos. Those of Tanzania were just amazing, and this “casa de campo” combination of colours is just… splendid! Don’t you have more pictures in which you appear? I don’t know, in Japan for instance 🙂

    Take care,

    Guindilla

  2. Thanks Guindilla, for your compliment 🙂
    The idea of having this webpage is to share my experience with you guys, but I’m not going to put too many of my photos, as I believe to some extent the author should be kept mysterious… 😉 Anyway, I´m happy you like the photos. Looking forward to the update of your web, too!

  3. この写真を持ってこられるんだから、あとは推して知るべし、かな。こんな風景が日常にあるのがうらやましいなり。

    • ヨッシー

      どうもありがとう。
      この場所は市民の憩いの場になっていて、週末は本当に人が多くてびっくりするよ!
      確かに、日常に美しい風景があるっていうのは、心の栄養剤だと思います★