初夏の香り
マドリッドに住んでいる人達がよく言うのが、「マドリッドはスペインの他の場所にはない光がある」ということ。確かに住んでみると、アンダルシア地方の典型的な真っっっ青(本当に濃い青なんです)な空や、マドリッド北部の明るさと厳しさの混ざった光とは違いますし、そこからさらに北の穏やかで明るい光とも異なり、もっと軽くてキラキラした光だと感じます。真夏ともなれば陽射しはかなり強いですが、今はまさに「光輝く」といった季節。暑過ぎず、優しく軽やかな光が辺り一面飛び散っているような時期です。スペイン語で「喜び」という意味を表す”alegria”という言葉がありますが、この言葉のように人々をワクワクさせるような魔力があります。(初夏の美しさについては、2007年4月の日記にも少し書きました。)
そんなこともあり、時間があると仕事帰りに少し散歩をします。普段気に留めないような場所にあった青々と輝く蔦や、夕焼けの光でピンク色に染まった石造りの壁・・・そんなものによく感動し、足を留めて見入ってしまう季節です。さらに時間があれば、レティロ公園を横断。(レティロ公園については、2007年4月と2008年2月の日記にもちょこっと書いたのでよかったらどうぞ。)ジョギングをしている人達、公園で遊ぶ親子、芝生で寝転がって勉強をしている学生達など、いつ見ても「ゆとりの空間だなぁ」と思います。そうこうしているうちに、帰宅が遅くなることもしょっちゅうですが・・・。
最近はどんどん変わりつつありますが、スペインでは土曜日はほとんどのお店が午後2時で閉まり、日曜日は営業していないお店がまだまだ多いです。光の魔力にかかった私たちは、最近はよく朝食を食べずに外に出て散歩や買い物をし、お腹が空いたお昼前に遅めの朝食をバルやカフェテリアでいただいています。写真の朝食はマドリッドの中心地Chueca (チュエカ)という地区のカフェテリアでの朝食風景。
ちなみに、この朝食は「バルセロナ風」とのこと。確かに、パンにニンニクをこすりつけて、トマトのすりおろしとオリーブオイルのソースをかけるのは、pantumacaというカタルーニャ地方の一品ですが、似たようなものがアンダルシア地方にもあるので、どこまでが「バルセロナ風」かは分かりませんが。
ゆっくり朝食をいただき、道を歩く人々を眺め、周りの古い建物を見ながら一息つく。それだけで、本当に贅沢な週末のひと時だと感じます。
ちなみに、このチュエカ地区はゲイの地区としても有名です。至る所でゲイカップルを目にしますが、ここにいると自然と慣れてくるから不思議です。(個人的には、皆が自分にとって幸せな形を追求するのは、相手が男性であれ女性であれ、良いことだと思っています。)また、そういう地区だからでしょうか、お洒落な洋服のお店やレストランも沢山ありますし、他の場所ではまだ手に入らないお洒落な輸入もののお店等もあります。夫は、沢山の輸入ビールを見つけてほくほく顔でした(^^;)
さらに、日本のゲートボールではありませんが、こういったゲームをしているおじいちゃん集団に会うことも。”Early bird gets the worm.”、「早起きは三文の得」ですね。
これはフランスのマルセイユ発祥のゲームで、フランス語ではPetanque、スペイン語ではペタンカ(petanca)と呼ばれています。2つのチームに別れ、500g位の金属製のボールを投げて駒の一番近くにボールを寄せたグループが勝ちになります。相手のボールが近くにあれば、それを跳ね飛ばすべくボールを投げてぶつけるので、日本のゲートボールよりかなり勢いがありますよ。
間もなくマドリッドにも暑い夏がやってきます。その前の初夏のひと時を、皆さんにも味わってもらえれば嬉しいです。
お久しぶり。去年、ちょうどGWの時にマドリッドに行って天気も安定していて
夏を先取りしたような太陽が燦々と輝いていたのを思い出しました。
いい季節だよね、今頃は。また行きたいです。
お久しぶりー!
あのポルトガルでの出会いは感動だったね (^^)
もうあれから1年以上になるんだねぇ。早いね。
また是非遊びに来てね。
その時にはもうちょっと時間が取れると良いのだけど。。。マドリッドも色々あるから、今度は夕飯でもどう?
7月1日付けでシンガポールに赴任になりました。
ヨーロッパは恋しいけれど、しばらくはアジアもしくはアフリカもしくはオセアニアの開拓に
励みます(って、ほとんど出張でしか行けないと思うけど)。
マドリッドの夕飯は確かに楽しみたかった。。。2泊して美術館周るのに忙しく2泊とも抜いた気が・・。
シンガポール!
今年の秋に友人を訪ねに行こうと思っていました。
そうしたら、現地の友達といまい君に会えるね!
シンガポールは小さいけれど料理が美味しかった覚えがあります。
お隣のマレーシアは見る場所が豊富で、人も優しくてお薦めだよ。
まずは引っ越し等々で忙しいと思うけど、体には十分気をつけてね。
私もリニューアルされたChuecaはとても好きなのですが、それにしてもすごい数のホモの集団区域ですね。知り合いもいるのですが、なかなかこの地区を散策する暇がありません。以前は靴を探しにいったりしたのですが…ところでPan con tomate、私はカタルーニャで広めたのはアンダルシアの移民の人達だと思っているのですが、カタルーニャやバスクの料理史は作り話が多すぎて大変です。Pantumacaと書くのも、先日調べていたらどうやらカタルーニャ語のPa amb tomaquetが元になっているようです。主人に伝えたらそんな田舎くさいことにこだわる必要がないと言われています。(笑)
私も最初はあの数に戸惑ってしまいました。
男性同士がキスするのを見た時には、思わず目が釘付けに・・・(笑)
pan con tomateの話、興味深く読みました。
確かに、カタルーニャやバスクは愛国心を高めようと色々な所で努力が見られますよね。
歴史やその土地での逸話等もそうですが、料理史もそうなんですね。アンダルシアの移民説、何となく納得してしまいます。
ご無沙汰しております。
4月から仕事漬けでした><
ブログも少しずつ再開していきたいと思います。
昔「オランダの光」という映画を見たことがあるのですが、オランダには独特の自然光があるらしいのです。マドリードにも実は特別な光があるのかもしれませんね☆
日本はそろそろ梅雨入りです♪
お久しぶり、masashi君!
ブログが更新されていないから、例のガリシアの論文で忙しいのかなと思っていました。
オランダの独特の光、これも分かる気がします。
だからこそのファン・ダイクやフェルメールなんでしょうね。
そういえば、昔アメリカに住んでいた頃は、やっぱり日本とは違う光だと思ったのを覚えています。
日本には日本の穏やかな光があると思いますが、やっぱりマドリッドの光の方が目立つ種類なのかなぁ。
こういう比較も面白いですね。
日本の梅雨はなんともすっきりしない時期ですが、離れてみると、これも風情があると思ってしまいます。
しっとりとした景色も良いですよね。