現在のビルバオ
ビルバオに行く前はほとんどこの都市のことを知らなかった私達ですが、今回訪問してみて、その建築物の素晴らしさに驚きました。バルセロナのガウディの建築物も素晴らしいですが、ビルバオは80年代から現代的な独創性のある建築物が多数建築され、それが古い建物の美しさと相まって独特な美しさを持つ都市となっています。
例えば、地下鉄の設計をしたのは有名なイギリス人のノーマン・フォスター(Norman Foster)。国際的にも現代建築の第一人者として知られる人で、スチールやガラスを使った「Industrialデザイン」が特徴的です。地下鉄の入口はフォステリート(Fosterito。フォスターの名字を可愛く言った感じです。)と呼ばれています。
ノーマン・フォスターの作品としては、マドリッドのバンキアという銀行のタワー(Torre Bankia)、British Museum、北京国際空港等もよく知られています。
グッゲンハイム美術館の建築家はフランク・ゲーリー(Frank Gehry)。97年に完成したこの建築物のオリジナリティ、構造の美しさは驚嘆に値します。
ビルバオの空港と、橋マニアの間では有名なズビズリ橋(Zubizuri Bridge)の建築家はサンティアゴ・カラトラーバ(Santiago Calatrava)。空港は2000年、橋は97年完成。
彼のデザインした建物は白が基調であることが多く、曲線と細い直線との交錯の美しさに感動させられます。バレンシア県出身なだけあり、バレンシアには彼の建築した建物がいくつかありますが、その中でも総合芸術センターとして知られる「芸術科学都市(City of Arts and Sciences)」はよく知られています。
ちょうど、2012年に友人の結婚式が開かれた場所がこの総合センターの一部であることに気がつきました。
友人の披露宴のあったドミネホテル(Domine Hotel)の建築家はハビエル・マリスカル(Javier Mariscal)。内部にも曲線を多用した構造と、中央にそびえ立つ塔が印象的でした。2002年に完成。
名前を聞いてもあまり知らない人も多いかもしれませんが、この人は92年のバルセロナオリンピックの公式マスコットCobiをデザインした人でもあります。さらには、数々の賞を受賞(アカデミー賞ノミネートも含みます)した「チコとリタ(Chico & Rita)」という長編アニメの映画を作成したことでも知られています。
日本人の建築家磯崎新によるIsozaki Atea(バスク語でタワーのこと)は2006年に完成しました。この建築家は日本でも有名ですが、海外での評価も非常に高く、欧米や中国等でも広く活躍しています。彼の建築したこの建物は、夜はライトでさらに美しく写ります。
アロンディガ(Alhóndiga)という2010年に完成した建物の建築家は、何とフランス人のフィリップ・スターク(Philippe Starck)です。彼の名前を聞くと、まず最初に出てくるのはレモン絞り器やゴーストチェアーかも知れませんが。
この建物は、20世紀初頭にワインの貯蔵庫として使われ、その後火災で廃墟となった建物をベースに建築されたもので、昔の工業都市として発展した頃の香りと現代建築が融合したものになっています。現在では、1階にレストランやお店が入り、文化施設としても使われ、さらに3階が室内プールになっているそうです。
その他にも、ガラス張りの公立図書館、電力会社Iberdrolaの塔等も印象に残りました。
本当はもっと書きたい建物が沢山あるのですが、今回はこの辺で・・・。
建築に興味のある人は、スペイン旅行の際には是非ビルバオに立ち寄って下さい!