休暇と喧噪
あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
仕事が忙しくてなかなかまとまった休みが取れない日が続きましたが、ようやく12月にある程度お休みをいただいて、クリスマスや新年の準備の他、たまりにたまった家の仕事にも着手することができました。
スペインでは、クリスマスシーズンというのは家族や親戚と過ごす大切な日。クリスマスの本格的な飾り付けは12月に入ってから始まるので、日本の方がクリスマスの準備は早いかも知れませんが、その後のエネルギーのかけ方は半端ではありません。奮発して美味しい食材を買い、凝った料理を準備し、皆でクリスマスの歌(スペイン語では「ヴィヤンシーコ(villancico)」を歌い、クリスマスのお菓子を準備してお祝いします。
クリスマスの料理は地域や家庭によって違いますが、子豚や子羊、大きな鶏(特に「カポン(capon)」と呼ばれる、去勢されて太らせた鶏)の丸焼き等がメイン料理であることが多いです。もちろん、鮭やタラ等のお魚をメインにすることもありますが、共通点は「普段より凝った料理」という所でしょうか。サフランを入れたり、木の実を入れたり、ちょっと味付けが変わるのはクリスマスならではと言えるかも知れません。
我が家は、今回は義両親と義母の母が我が家に滞在していましたので、子供達にとっては楽しい触れ合いの時間となりました。反面、彼らがいるということで義弟もよく我が家に滞在し、さらに義母の兄夫婦がお祝いに来たり・・・と、毎日8~10人の食事を考えなければならず、何だか毎日子供の世話か料理を作るばかりの休暇だったように思います。それはそれで楽しかったですが、今は普段の生活に戻る良さも実感しています。
以前のブログにも書きましたが、スペインには伝統的にはサンタクロースはいませんでした。変わりに、キリスト誕生の際に東方からやってきた3人の王様が、子供たちにもプレゼントをあげると信じられてきました。その為、今はその両方が混ざり、子供達は12月25日にサンタクロースからプレゼントをもらい、1月6日に王様(Reyes magos)からプレゼントをもらうことになっています。この短期間に二つのプレゼントとは、何とも羨ましい話です。
娘がこういったイベントを理解して喜ぶ年齢になったこともあり、今回は私たちもしっかり準備です。夫が出張で不在の間に子供二人を連れてクリスマスツリーを買いに行き、ベビーカーを押し、娘の手を引きながら大きなツリーをよたよたと持って帰宅。子供が寝ているお昼時と夜に掃除や飾り付け、ツリーの組み立てをし、ほとんどが完成したら私の週末も終わり…という時もありました。それでも、子供達の嬉しそうな顔を見ると疲れも取れます。
24日に子供達を寝かしつけ、親戚も交えてのディナーを終えた午前3時、準備したプレゼントをツリーの下に置いておきました。次の日に起きた娘は大喜び。息子はよく分からないものの、もらったプレゼントは気に入ったようで、その後楽しんでいました。
5日は娘を寝かしつけてから、「王様ってどこにプレゼントを置くのかしら?」といきなり疑問が…。義母に聞いた所、王様達は玄関の靴の辺りにプレゼントを置くと教えてもらい、玄関にプレゼントを置いておきました。(子供と一緒だと発見がありますね。)こちらのプレゼントは、クリスマスよりは軽い物にしておきましたが、娘はこっちのプレゼントの方が嬉しかったようで、次の日はまた大喜びでした。
そうこうしているうちに、娘の誕生日(1月14日)が近づき、これまたプレゼントの準備です。楽しいお祭りも、こういくつもイベントが重なると大変。さらに言えば、私は24、29、30、31日と仕事をしたので、仕事の合間に準備でバタバタしてしまいました。これも、義両親と夫のサポートがあってこそです。
ディナーの話に戻ると、今回は時間が少なかったこと、夫のおばあちゃんの世話で義母が大変だったこともあり、できるだけ控え目のイベントにすることになりました。それでも、スーパー専業主婦の義母にとっては、「ここで美味しい凝った料理を作ってあげたい」「家族にできるだけのことをしてあげたい」という気持ちがあったようで、義母にブレーキをかけるのに苦労しました。休暇はゆっくり落ち着いて過ごしたい私達と、とにかく何でも必要なことはしてあげたい義両親の間に入り、夫は休暇中でもかなり疲弊したようです。こういうことも、スペイン文化だからこそなのでしょうか???
クリスマスのディナーの話し合い、大晦日のディナーの話し合い、当方の三賢者(王様)のお祝い(1月5日)のおやつタイムとディナーの話し合い…と、食事ばかりの日々でした。楽しかったですが、夜中過ぎまで沢山食べる日々の後には、日本の清々しい元旦の雰囲気が懐かしくもなりました。
休暇中には、普段できない家のインテリアにも時間を割くことができました。子供部屋用の家具を購入したり、ダイニングに大きなライトを取り付けたり、カーテンを選んだり、気に入った絵の額を選びに額屋さんに行ったり…と、普段はなかなか面倒になってしまうことを進めることができ、ちょっと充実感がありました。子供部屋は最初の頃と比べると、随分温かみのある部屋になりました。(最初が最初でしたが。)
個人的には、休暇中に息子がずいぶん日本語を理解するようになったことが嬉しかったです。夜中に子供部屋に様子を見に行くと、時々息子が起きて「おはよー。」と言うようになったり、お腹がすいていると「もっとー、ぱべぶー(食べる)。」と言うようになったり、日々の成長に驚かされました。
娘は塗り絵が大好きになり、「私は線からはみ出さないの。」と得意そうに見せてくれるように。また、料理のお手伝いをしてくれるようになり、ゆで卵の殻むきや、肉団子作り(成型のみ)ができるようになりました。親にある程度のゆとりができるからこそ、こういったことを楽しめるのかも知れません。
長く続いたイベントも、あと少しで小休止。普通の日常に戻りますが、そういった日常もまた大切に過ごして行きたいと思います。