Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

3つの誕生会

誕生日ラッシュが過ぎ去りました。
誕生日をお祝いするのはとても楽しいことなのですが、家族が増えてお祝いする人が増え、子供達の好みやリクエストも出て来ると、一つ一つにかけるエネルギーもさらに必要になり、終わった今はホッと一息です。

息子の誕生日のブランチ。あるものを使って、乗り物好きな息子の好みに合うようにしてみました。

まずは、2月26日の息子の誕生日。息子が生まれた時のことを思い出し、これまでの成長の早さを改めて実感しました。
小さい頃はかなり扱いやすい赤ちゃんでしたが、歩き始めてからのやんちゃぶりはやはり男の子。物に対する扱いがまだ丁寧ではなく、親としてはヒヤヒヤすることも多々あります。長女がお人形遊びをして赤ちゃんをベッドに寝かしつけると、ベッドを逆さまにしてお人形を落として笑ったり、大好きな本のページを毎回勢いよくめくって本を壊してしまったり、二段ベッドのはしごの間をしゅるっと通ってベッドに行かないと気がすまなかったり・・・色々な遊びと「儀式」により、子供たちを寝かした後に夫と私でふぅとため息をつくこともしょっちゅうです。
時には堪忍袋の緒が切れてお尻叩きをすることもありますが、優しくて元気で良い子だと思います。

学校で誕生日にもらった冠をつけたまま、ソファで寝入ってしまった息子。

健斗の好きなものは乗り物全般です。これ以外に好きなものが思いつかないくらい、電車、車、飛行機の話ばかりをします。かおりと健斗にペンを渡すと、かおりはお絵描きをし、健斗はそれを電車に見立てて遊ぶ・・・という感じなので、ほしいものについては明々白々。とは言え、これだけテーマが絞られると、既にほとんど全てを持っているのも事実。これまた悩ましいものです。結局、私たちからはトミカのプラレールセット(日本から持ってきました)、義理の両親からはカーズのスクーターに決定。

そこまで特別なことはしませんでしたが、朝食のテーブルコーデは汽車にしてみました。小さなカップケーキ、シュークリーム、クッキーを入れ、朝食のフルーツを飾ってブランチです。朝食の飾りの方が食べ物より気に入ったようにも見えましたが、皆で楽しいひと時を過ごせたので良しとします。

スクーター!

そして、3月2日は義父の誕生日です。
実は、義父は現在癌を患っており、昨年の秋から闘病中です。私も知らなかったのですが、マドリッドは癌の治療で有名な病院があり、いくつかの病院はヨーロッパでもかなりよく知られているらしく、義父はマドリッドで治療を受けることを決定。現在は、我が家にいます。様々な変化に、最初は本人も周りの家族も、状況に対応するのが精一杯でした。今は、皆それぞれの変化を受け入れ、義父の体調にあまり一喜一憂することなく、「普通の日々」を過ごすことに主眼を置いています。

義父のことはいつも尊敬していましたが、今回病気と向き合う義父の姿を間近で見ていると、その精神力の強さ、病気の状態を自分でしっかり分析する姿勢、治療を続けながらも色々な未来のプロジェクトを考えるポジティブな姿勢に脱帽です。(同時に、こんなにプロジェクトがたくさんあって大丈夫なのかと心配になることもありますが。)私たちは、特に大きな病気もなく過ごしているのに、本来使える時間やエネルギーの多くの部分を無駄なことに費やしていないか、本当に自分にとって大事なことに自分のエネルギーを注いでいるのか・・・そういうことを、自分自身省みるようになりました。

父の誕生日のテーブル。ローソクとナプキンはかおりがおばあちゃまと選びました。

義父は抗がん剤の影響でかなり疲れやすい時期だったのですが、夕飯の時間は何とか持ちこたえ、皆でケーキを食べてお祝いをしました。

夫と義弟が選んだプレゼント(タブレットとキーボードのセット)とハートの風船を持ってスタンバイ。

2004年に日本で出会ってから、義父は常に私が最も尊敬する人の一人でした。私も出来る限りのことをして、これからも義父をサポートしていきたいと思います。

この一日一日に感謝です。

 

最後になりますが、3月11日は私の誕生日でした。

前回のブログにも書きましたが、職場でも「誕生日の人が皆にご馳走する」という習慣があり、私は他の3月生まれの人たちと一緒に「朝食」を買ってご馳走しました。(職場での誕生会については、ちょと古いですが2010年のブログにも書いてあります。)そうすると、皆が「誰の誕生日なの?」と周りの人に聞き、誰かわかってからその人たちに「お誕生日おめでとう」と朝食のお礼を言いにいく、というのが一般的でしょうか。というわけで、朝食を買った10日には、皆からたくさんお祝いをしてもらいました。中には、「何歳になったの?あ、18でしょ。」なんてことを言ってくれる男性も。いいですね、こういうの(笑)

誕生日のランチ。食事は、スペインの家庭では有名なガルバンソとお肉の煮込み料理「コシード(cocido)」です。

当日は、義母がメインで計画してくれた誕生日ランチがありました。ランチは私たちが担当したものの、ケーキとプレゼントは義母。そして、皆からのメッセージが書いてあるカードをもらいました。実は、義母から、「はるきの誕生日を皆でお祝いしようと思うんだけど。」と言われた時、義父のことで大変な思いをしている義母にさらに負担をかけたくなかったこと、他の誕生会の準備で忙殺された後に自分の誕生会の準備までしたくなたかったこと等もあり、私は「いや、もう本当に何もやらなくていいよー。義父が元気になったら考えよう。」とずっと言っていました。それでも、義母や義弟の決心は固く、最終的にはお祝いをすることに。ですが、皆でゆっくりランチを楽しみ、ローソクを吹き、カードを読み、改めて私は幸せ者だと感じました。皆、本当にありがとう。

いつもの二人組が、プレゼントを持ってスタンバイ。隠れ切れていないのが二人らしいです。

 

スペイン語に、”Al mal tiempo, buena cara.”という表現があります。”Tiempo”はスペイン語では「天気」と「時間」の両方の意味がある為、訳すと、「天気が悪い時/辛い時こそ良い顔をしよう。(“To the bad weather/time, good face.”)」となります。仕事で大変だった頃に、スペイン人の同僚が私に教えてくれた言葉です。今回私の誕生日を家族がお祝いしてくれた時、この「辛い時、大変な時こそ、明るく元気であれ。」という言葉の重みを改めて感じました。

今年は、次女が初めて参加した誕生日です。記念にパチリ。

思い出に残る誕生日でした。

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