夏の休暇
ヨーロッパでは一般的にそうなのかも知れませんが、スペイン人の休暇に対する熱意には、いつものことながら頭が下がります。
学校が終わる6月からぼちぼち休暇に入る人たちが出てきますが、やはり休暇本番は7〜8月。
皆、休暇前にはできる限りの仕事を片付けて行こうとする為、誰が最後にメールの置き土産(相手の依頼に答え、自分の依頼を送っておしまいにすること)をするかの勝負が始まります。
そして、8月末ともなると、休暇を取っていた人たちが小麦色の肌になってオフィスに戻ってきて、休暇を取っていない人はもう限界だと周りに言う・・・というのが一般的でしょうか。
私は8月末から休暇だったので、自分の休みになるまでが長いと感じたものの、皆が戻ってきてから自分がお休みを取るのも悪くないなぁ、とちょっと満足感を味わうことができました。
日本人の感覚からすると、日焼けはお肌の大敵だから、こんな無防備に肌をさらして日焼けして帰って来て良いのかしら・・・ということになりますが、ヨーロッパの人は日焼け止めを塗っても日本人より日焼けをしやすいこともあり、同じ日焼け止めクリームを塗っても小麦色になりやすいようです。
(この辺りのことは、最近になってようやく気づきました。)
休暇は、まず義母、夫、子供達が一足先にマルベヤの別荘に行きました。
私は仕事の関係で一週間遅れて到着し、家族と一緒に一週間ほど滞在した後、皆と一緒にマドリッドに戻ってきました。
と言う訳で、私にとっては短い滞在でしたが、それでもマドリッドを離れ、仕事を忘れて海やプールでゆっくりできるのは貴重な体験でした。
スペインで、子供達にとっての夏の休暇の過ごし方と言えば、やはりプールや海が一般的です。
マドリッドは海に面していない為、プールに行く人もいれば、週末をはさんで海岸地域に行く人もいます。
もちろん、プールや海には大人も付き添う為、お昼にプール、夕方に海・・・と毎日陽に当たることになります。
日焼け止めクリームを塗っていても、これだけ外出すれば全ての紫外線をブロックすることは叶わず、1週間も滞在すれば、肩や背中が濃い色になっていることに気づきます。
日本での紫外線対策は何だったのかという気持ちになることもありますが、子供達が大喜びで毎日朝食の後にプールに行く様子を見たり、夕暮れに潮風を受けながら海岸沿いを家族で散歩したりすると、それはそれとして楽しまなければ、という気持ちになります。
マルベヤでは、本当に特に何も計画しないでのんびりとした日々を過ごしましたが、一日だけは例外で、友人の家に招待されてお昼をご馳走になりました。
私たちにとって本当に大切な友人夫婦の家で、子供達も居心地が良かったのか、結局お昼ご飯でお邪魔したのに、夜の9時まで長居をしてしまいました。
義父が亡くなって日が浅いこともあり、義母も義父の思い出を分かち合える人との時間が心の慰めになったようです。
「別荘」と言うと大ごとに聞こえますが、スペインではどの家庭も海沿いや田舎のどこかしらに家族の誰かが所有する家があり、そこで長い夏休みの一部を過ごすということがよくあります。
私たちのように夫婦共働きだとそこまで長期の滞在はできませんが、1〜2週間でも気分転換になります。
何よりも、同時期に滞在している家族とも毎年交流がある為、子供達も毎年一緒に遊ぶ友達がいるのがありがたいです。
夏の休暇が終わり、新学期が始まりました。
充電をした子供達が、楽しい学校生活を送れますように。