夏休みと「キャンプ」
スペインでは、夏休みが6月中旬から始まります。夏休みになると、学校の送り迎えもなくなり、親としてはちょっとラクになるかと思いきや・・・意外とそうでもないのです。
スペインでは8月に1ヶ月お休みを取るような企業もあり、6〜7月は最後の追い込みの時期。
意外とやることも多く、残業が増えるという友人も結構いたりします。
子供達にとっては、学校が終わって思いっきり遊べる楽しい時期なのですが、夏休みが終わる9月の初めまでの約3ヶ月間、子供達を退屈させないようにするのは意外と大変。
多くの親達は、子供達を「キャンプ」に通わせます。
「キャンプ」はスペイン語では”Campamento”。
日本語で「キャンプ」と言うと宿泊するイメージですが、この「カンパメント」は”Campamento Urbano (urban camp)”とも言われ、子供を日中預けるプランがほとんどで、朝9時から午後3〜4時というのが一般的です。学校と同じ時間帯ながら、勉強ではなく色々な活動をするイベントと言った感じでしょうか。
これが、1週間単位で開催され、親達は、自分のスケジュールと、子供達の世話をしてくれる人のスケジュール、お財布と相談しながら、プランを組んで行くことになります。
例えば、私の子供達の行っている学校では、British Councilという英語を教える団体と契約しており、夏休みには「英語のカンパメント」を開催しています。これは、いつもの通り学校に行き、ネイティブの英語の先生と話しながら遊ぶというものです。
対象年齢3歳以上。
早期英語教育の真髄を見た感じです。
私たちは、子供達には学校の英語で十分と考え、このカンパメントには申し込みませんでした。
その他、マドリッド市が主催のカンパメントもいくつかあります。
費用が安く抑えられることもあり、5月に募集枠の通知が出ると、その日のうちに手続きをしないと入れないと言われています。
また、両親が共働きでないと、まず枠が与えられないということも聞きました。
これは、マドリッドのある学校の敷地を使って行うもので、食事も含めて1週間1万円未満と、非常にお得です。
私たちがこのカンパメントの存在を知ったのは、そこに行く子供達のママと話をした時です。(時すでに遅し。)
皆、色々な情報を得ているんだなぁ、と感心してしまいました。
我が家はと言うと、近所に住む友人夫婦が息子さんをカンパメントに通わせるということで、一緒にどうかと聞かれた場所を選びました。
これは、我が家から車で10分程度の場所にある、Club de Campo Villa de Madridというゴルフクラブなのですが、プールもあるらしく、子供達ものびのびできるだろうと思い、初めてのカンパメントの申し込みをしてみました。
申し込んだ後に知ったのですが、このゴルフクラブはかなりハイソな場所らしく、公爵や伯爵と言った上流社会の人達が最初に作ったプライベートのクラブだったらしいです。
今ではマドリッド市もその50%以上の資本を出資しており、市が主催する抽選で当たれば会員になれるそうです。(とは言え、2000年にはウェイティングリストに30000人の名前があったらしく、ほとんど抽選の機会もないそうです。)
子供達を毎朝カンパメントに連れて行った夫によれば、「ハイソな感じが至る所に漂っていた。」とのこと。
車の種類だけでなく、お抱え運転手がいる子供達、4、5歳にして乗馬やテニスを嗜む子供達、シックながら全てに統一感のあるお洒落をする子供達・・・。やはり何かが違います。
2週間、子供達はそこに通い、とても楽しいひと時を過ごしました。
でも、2週間連続で、屋外プールに毎日入っていたので、カンパメントが終わる頃には真っ黒に日焼けした子供に変わっていました。
息子は毎日カンパメントを楽しんでいましたが、5歳の子供には相当ハードらしく(?)、3時過ぎに帰宅してお昼ご飯を食べる頃には、目が半分閉じかけ、すぐに2時間位お昼寝をする日々でした。
2歳の次女は、お兄ちゃんとお姉ちゃんがカンパメントで留守の間、一人でお手伝いさんの「寵愛」を一身に受け、それはそれで幸せそうでした。
カンパメントの後は、子供達はまた公園通いをしていましたが、来週からは、長男と長女はおばあちゃんと一緒にアンダルシアに行きます。
私たちはまだマドリッドで仕事の日々ですが、上の子達が海の近くで楽しく過ごすかと思うと、こちらも嬉しくなります。
次女は、最近おまるトレーニングを始めましたが、私が「おまるに座ろうか。」と言うと、「おまる、いらないのー!」と言って逃げます。
お手伝いさんと親しかいない環境で、さらにワガママになるでしょうか?