次女の洗礼式
9月29日、無事に次女の希良(きら)・アンドレアの洗礼式を終えました。
洗礼とは、普通は生後3〜6ヶ月の赤ちゃんが受けるのが一般的です。夫は3歳の時に洗礼を受けましたが、当時のスペインではそれは異例中の異例、最初の教会は夫の洗礼を断ってきたと聞きました。
そう思うと、長女は1歳9ヶ月、長男は2歳2ヶ月の時で、かなり遅かったことになります。
(最近では、洗礼を受けるということがそこまで一般的ではなくなった分、どこの教会でも洗礼式をあげるのは何歳でも喜ばれるようです。)
そして、次女の洗礼は次女が2歳5ヶ月の時。記録更新です(笑)
洗礼の準備については、息子の洗礼式のブログに書いてあるので、今回は省略しますが、新しいことだけ書いておきます。
1.日程調整
今回は、9月の洗礼式ということで教会に申し込みをしたのが6月でした。披露宴ほどではないにしろ、周りの人への連絡もありますし、早目が肝心です。
ちなみに、今回の洗礼式に長女のゴッドファーザーもよびましたが、彼はスイスに住んでいるので、数ヶ月前に計画をするのが大前提となります。(そして、彼らが来ると、我が家では子供たちも含め、お祭り騒ぎになります。)
2.代父・代母
次女のゴッドファーザーは夫の叔父ヴィクトリアノ(Victoriano, Victor)になってもらい、ゴッドマザーは夫が子供時代から仲良くしており、今では家族ぐるみのおつきあいをしている友人の女性マリア(María)になってもらいました。
子供の精神的な後見人となる人なので、私たちにとって特別な人をいつも選んでいますし、基本的にはゴッドファーザー/ゴッドマザーになることは大変名誉なことと考えられているので、大体の人は依頼をすると喜んでなってくれます。
反面、スペインの慣習としては、彼ら(特にゴッドファーザー)が洗礼式の後のお祝いの費用の多くの部分を負担することになるので、その辺のことも考慮にいれる必要があるかも知れません。
(ちなみに、我が家は私たちが食事代全てを払いましたが、ゴッドファーザーから娘への「お祝金」をいただき、ゴッドマザーは参加者全てにハモンとチョコレートのプレゼントを準備してくれていました。)
3.レストランの選定と予約
今回は、あまりエキゾチックな料理は食べないと思われる人たちがいた為、スペイン料理に一味プラスしたようなレストランで、且つ、雰囲気が良く、子供達がいても問題ない雰囲気のGigi(ジジ)というレストランを選びました。
そして、事前にレストランに連絡した上で、月に一度の夫との外出の日にそのレストランに行き、メニューを見ながら組み合わせを考えました。夫婦でゆっくりというよりは、課題を仕上げるために行く・・・という感じでしたが、それも良い思い出です。
洗礼式前日には、レストランに置く為の写真やその他簡単な飾りをお店に持って行き、友人から娘へのプレゼントも保管してもらいました。この辺りもフレキシブルに対応してくれたお店の人たちには、本当に感謝でいっぱいです。
4.子供たちの洋服選び
今回は、次女に似合いそうな麻のドレスを見つけたので、その帯の色と同じような色を使って3人の子供のコーディネートをすることにしました。(スペインでは、こういったフォーマルな場では、小さい子供たちは同系色にまとめることが多いのです。)
7月のセールシーズンになってからは、本当にいろいろなお店を回りました。
あまり色にこだわるとデザインが気に入らなかったり、デザインが良くても丈がイマイチだったり、全てが良くても値段が高過ぎて思いとどまったり、どうしても似合う靴がみつからないので、泣く泣く服を変えたり・・・と、本当に苦労しました。
それこそ、最後は息子のズボンを仕立て屋さんで新調することも考えましたが、最後の最後で麻の同系色のズボンが見つかり、無事に既製服で落ち着きました。
ただ、同系色にすると主役が誰か分かりにくくなる為、長女には靴と同じ色のヘアバンドをつけ、次女には同系色ながら色とりどりのお花のついたヘアバンドでカバーしました。
こういった小物選びもなかなか難しく、全て終わって8月に休暇に入る時は、本当に解放感でいっぱいでした。
5.出席者への贈り物
せっかく出席してくれた人には、心ばかりの贈り物を渡したいと思いつつも、贈り物って結構選ぶのが難しいものですね。食べ物ならば本当に美味しいものを渡したいですし、後になっても残るものは、記念と分かるものでありながらも、無駄になって持っているのが重たくなるようなプレゼントは避けたいものです。
数ヶ月色々なものを物色した結果、私たちが選んだのは、Etsyで見つけたワインのコルク栓。そこに、次女の洗礼式の日付と星マークを入れてもらいました。
私の中では、「きら」という名前からいつも「キラキラ=星」が連想されることに加え、幼稚すぎず、シンプルなデザインの何かを記念の品に付けたいと思っていたので、気に入ったものが見つかって本当に良かったです。
お菓子は、以前スペインのサラゴサ(Zaragoza)に行った義弟からもらって大好きになったお菓子、Trenza de Almudévarを選びました。このお菓子は、伝統的な製法で長時間発酵させた生地にドライフルーツを混ぜて焼き上げた三つ編み状のお菓子で、最初はその美味しさに感動して、思わずこのお菓子屋さん(Pastelería Tolosana)に、「マドリッドでも見つけたことのない美味しさです。どこで買えるか教えてください。」とメールを送った位です。
その後、マドリッドの大手デパートのグルメコーナーでも売られていることを知りましたが、そこでは毎週金曜の入荷日に完売になるらしく、なかなか手に入りません。そのことを覚えていたので、洗礼式の二日前に出来立ての新鮮なお菓子を我が家まで送ってもらいました。
実は、こちらのミスでお店とのやり取りが止まってしまい、洗礼式の三日前にそのことに気づいて注文をクローズしたのですが、最後はこちらの送金が間に合わないにも関わらず、相手がこちらの事情を理解して、支払前にお菓子を送ってくれました。その時に店長が、「そこまでうちのお菓子を喜んでくれる人なので、お金は後で結構です。」と言ってくれたのが、本当に嬉しかったです。
さて、洗礼式当日。
当日は天気が良く、式の直前までお昼寝をしていた娘も元気で、式は問題なく終了しました。
司祭の言葉も心に響くもので、洗礼によって娘が神の子供の一人として祝福された存在であることを実感できること、私達が娘の幸せを願うことが教会にとっての大きな喜びであること等のメッセージを受け取りました。
自分の子供の幸せを願い、それを自分にとって大切な人と共有できる日というのは、親にとって本当に特別な日だということを改めて実感しました。
こういうイベントでは、その準備にばかり忙しくなってしまいますが、司祭の言葉によって、洗礼という儀式の本来の意味について考えることができ、本当に自分は幸せだということを改めて感じることができました。
式の後は、皆でレストランに移動し、そこで遅い昼食のスタートです。子供たちも皆で楽しく過ごし、食事の後は皆で色々な話をしたり、持ってきたおもちゃで遊んだりしていました。大人は大人で、子供達に注意しつつも久々にゆっくりと色々な話をし、楽しく過ごしました。
スイスから来た友人と彼のパートナーはフランス人ですが、スペイン人の友人たちが頑張って英語やフランス語で話しているのを目にし、その温かさにも感謝で一杯になりました。
ようやく一大イベントの終了です。
参加してくれた皆に、深い感謝を込めて・・・。